- 職務経歴書を書くのが初めてで、何から手をつければいいか分からない
- 検査業務をどうアピールすればいいか分からない
- 履歴書との違いがよく分からない
転職を考えている放射線技師(正式名称:診療放射線技師)の方なら、一度は悩んだことがあるのではないですか。
結論からお伝えすると、放射線技師の職務経歴書は「モダリティ経験」と「数字」で差がつきます。
私は総合病院で17年間勤務し、放射線治療を11年間担当しました。
転職していった同僚たちを見てきましたが、専門スキルを的確にアピールできた人とできなかった人で、職務経歴書の段階から差がついていたと感じています。
この記事では、職務経歴書に書くべき5つの項目を記載例つきで解説し、面接対策までまとめています。
くろぶち私自身は転職活動の経験はありませんが、同僚の転職を近くで見てきた経験と、採用側の視点を調べた情報をもとに解説します。
読み終える頃には、「自分は何を書けばいいか」が明確になっているはずです。
放射線技師の職務経歴書が重要な3つの理由


転職活動では、履歴書とセットで職務経歴書の提出を求められることがほとんどです。
「履歴書だけで十分じゃないの?」と思うかもしれませんが、放射線技師の転職では職務経歴書の出来が合否を左右するといっても過言ではないです。
その理由を3つ解説します。
履歴書だけでは専門スキルが伝わらない
履歴書に書けるのは、勤務先の名前と在籍期間くらいです。
でも放射線技師の仕事は、同じ病院でも担当モダリティによってまったく内容が違います。
一般撮影をメインでやっていたのか、CT・MRIを何年経験したのか、放射線治療に携わっていたのか。これらの情報は、職務経歴書でしか伝えられないです。
採用担当者は「即戦力」を見ている
放射線技師の中途採用では、採用後すぐに現場で活躍できるかどうかが重視されます。
採用担当者が特に注目するのは、以下のようなポイントです。
| 確認ポイント | 具体的に見ていること |
|---|---|
| 施設の規模・業態 | 病床数、診療科数、 放射線科のスタッフ数 |
| 担当モダリティ | どの検査を 何年経験したか |
| 検査件数・症例数 | 1日あたりの件数、 特殊な症例の経験 |
| 保有資格 | 業務に関連する 資格の種類と取得時期 |
| 役職・マネジメント | 主任・リーダー経験、 後輩指導の実績 |



私がいた総合病院でも、中途採用のときは「CTを1人で回せるか」「放射線治療の経験があるか」などがまず確認されていました。
面接でも職務経歴書が軸になる
面接では、職務経歴書の内容をもとに質問されることがほとんどです。つまり、職務経歴書に書いた内容が、そのまま面接の話題になります。
曖昧な内容を書くと「具体的に何件くらい対応していましたか?」と突っ込まれて答えに詰まることも。面接対策という意味でも、職務経歴書を丁寧に作り込んでおく価値は大きいです。
職務経歴書の書き方|5つの項目を解説


放射線技師の職務経歴書は、以下の5つの項目で構成するのが一般的です。A4サイズで1〜2枚にまとめることを意識してください。
職務要約:経歴の全体像を3〜4行で伝える
職務要約は、採用担当者が最初に目を通す部分です。ここで「詳しく読んでみたい」と思ってもらえるかどうかが決まります。
書くべき内容は、経験年数、勤務施設の種類、担当したモダリティ、得意分野の4つです。3〜4行(250文字前後)に簡潔にまとめてください。
【記載例】
〇〇大学卒業後、〇〇総合病院(700床)にて診療放射線技師として17年間勤務。一般撮影・CT・MRI・透視のローテーション業務を6年間経験した後、放射線治療部門に11年間専任で従事。第1種放射線取扱主任者を保有し、治療計画の品質管理業務や後輩指導にも携わる。
ポイントは数字を入れることです。「長年勤務」ではなく「17年間勤務」、「幅広い業務」ではなく「一般撮影・CT・MRI・透視」と具体的に書いてください。
職務経歴:施設情報と担当業務を整理する
職務経歴は、勤務先ごとに時系列で記載します。各勤務先について、以下の項目を整理してください。
| 項目 | 記載例 |
|---|---|
| 施設名 | 医療法人〇〇会 〇〇総合病院 |
| 施設の種類・規模 | 急性期総合病院・病床数700床 |
| 診療科数 | 30科 |
| 放射線科の体制 | 常勤技師8名 |
| 在籍期間 | 20XX年4月〜20XX年3月(17年間) |
担当業務の書き方は、担当したモダリティごとに、経験年数と具体的な業務内容を箇条書きで記載します。
使用していた機器のメーカー名と機種名も書いておくと、採用側が「うちの機器を扱えるかどうか」を判断しやすくなります。
【記載例】
担当モダリティと業務内容
- 一般撮影(3年):1日平均〇件、ポータブル撮影含む
- CT検査(2年):〇列マルチスライスCT(〇〇社製〇〇)、造影CT含む
- MRI検査(1年):〇T MRI(〇〇社製〇〇)、頭部・腹部・整形領域
- 放射線治療(11年):リニアック(〇〇社製〇〇)、治療計画装置(〇〇)、IMRT・定位放射線治療



私の場合、放射線治療の経験を書く際は「IMRTや定位照射の経験年数」「年間の治療計画件数」を具体的に記載すると思います。
保有資格:業務関連のものから順に書く
保有資格は、放射線技師の業務に直接関連するものを優先して記載します。
記載の順番は以下のとおりです。
- 診療放射線技師(必須)
免許番号も記載 - 業務関連の専門資格
第1種放射線取扱主任者、放射線治療専門放射線技師、X線CT認定技師、検診マンモグラフィ撮影認定技師、磁気共鳴専門技術者など - その他の業務に活かせる資格
自動車運転免許(健診車や訪問診療で必要な場合あり)、PCスキル関連の資格など
注意点として、取得年月日を正確に記載することが大切です。履歴書と職務経歴書で日付がずれていると、確認不足と見なされる可能性があります。
自己PR:強み×エピソード×貢献で書く
自己PRは、職務経歴書の中でも最も悩む部分かもしれません。
効果的な自己PRは、以下の3つの要素で構成すると伝わりやすいです。
- 強み
自分の一番のアピールポイントを1つ選ぶ - エピソード
その強みを裏付ける具体的なエピソードを書く - 貢献
応募先でどう活かせるかを結びつける
【記載例】※放射線治療経験者の場合
放射線治療部門に11年間専任で従事し、IMRTや定位放射線治療を含む年間〇件の治療計画に携わりました。治療計画の品質管理では、線量検証の精度向上に取り組み、部門全体のワークフロー改善にも貢献。 第1種放射線取扱主任者の資格を取得し、放射線安全管理に関する知識も備えております。 貴院の放射線治療部門において、これまでの経験を活かした質の高い治療の提供と後輩技師の育成に尽力したいと考えております。
【記載例】※CT・一般撮影がメインの場合
〇〇総合病院にて、CTおよび一般撮影を中心に〇年間の実務経験を積んでまいりました。CT検査では造影検査を含む1日平均〇件の検査を担当し、救急対応の経験もございます。 患者さんへの検査説明では丁寧な声かけによる不安の軽減を心がけ、放射線科全体の接遇向上にも注力。 貴院では幅広いモダリティの経験を活かし、即戦力として貢献いたします。



自己PRで一番大切なのは「強み」を1つに絞ることです。あれもこれもと詰め込むと、結局何が強みなのか伝わらなくなります。
志望動機:応募先への理解を示す
職務経歴書に志望動機の記載欄がある場合は、応募先の特徴を調べたうえで記載します。
ポイントは「自分の経験」と「応募先の特徴」を結びつけることです。
- 〇〇を経験してきた
貴院の〇〇で活かせる - 〇〇に興味がある
貴院は〇〇に力を入れている
「給与が良いから」「家から近いから」だけを理由にすると、「条件が合えばどこでもいいのでは」と思われかねないです。条件面以外の理由を必ず1つは入れてください。
年収アップを目指して転職を考えている方には、こちらの記事も参考になります。
差がつく3つのポイント


ここまでの基本的な書き方を押さえたうえで、さらに採用担当者の印象に残る職務経歴書にするための工夫を3つ紹介します。
NG例とOK例で見る書き方の差
前章で基本の書き方を解説しましたが、同じ内容でも書き方次第で採用担当者の印象は大きく変わります。
NG例とOK例を比較してみてください。
| NG例 | OK例 |
|---|---|
| CT検査を担当 | CT検査5年 (64列、造影含む1日平均15件) |
| 放射線治療の経験あり | 放射線治療11年 (IMRT・定位照射対応、年間○件の治療計画) |
| 後輩指導を行った | 新人技師の教育担当 (年間2名、撮影マニュアル作成も実施) |
違いは具体性です。採用側が知りたいのは「経験があるかどうか」ではなく「どのレベルの経験か」なので、件数・年数・使用機器を必ずセットで記載してください。
検査件数が正確に分からない場合は、「1日平均〇件程度」「月間約〇件」と概算で問題ないです。
転職先に合わせてアピールを変える
同じ職務経歴書をすべての応募先に送るのではなく、転職先の特徴に合わせて内容を調整してください。
| 転職先 | 重視されるポイント |
|---|---|
| 総合病院 | モダリティの幅と経験年数 救急対応力 |
| クリニック | 一般撮影・CTの即戦力 患者対応力 少人数での業務遂行力 |
| 健診センター | 撮影の正確性とスピード 接遇スキル |
| 医療機器メーカー | 専門資格 特定モダリティの深い知識 コミュニケーション力 |
たとえば、クリニックに応募する場合は「少人数体制での業務経験」や「患者さんへの接遇で意識していたこと」を強調すると効果的です。
私の同僚で医療機器メーカーに転職した人は、第1種放射線取扱主任者の資格と放射線治療の専門知識が決め手になっていました。
転職先が求めるスキルを事前に調べ、自分の経験と結びつけることが大切です。
面接を見据えて「聞かれたいこと」を仕込む
面接官は職務経歴書をもとに質問するので、自分がアピールしたいポイントを目立つ位置に書いておけば、そこを聞いてもらえる確率が上がります。
具体的には、以下のような工夫が効果的です。
- 自己PRに「特に力を入れた取り組み」を1つ入れておく
- 志望動機に「応募先の〇〇に共感した」と具体的に書いておく
- 担当業務に「改善・工夫した実績」を1つ入れておく
こうしておけば、面接で「ここについてもう少し詳しく教えてください」と聞かれたときに、準備した内容をしっかり伝えることができます。
面接でよく聞かれる質問と対策


職務経歴書を提出して書類選考を通過したら、次は面接です。
ここでは、放射線技師の転職面接でよく聞かれる質問と、回答のポイントをまとめます。
定番の質問と回答のポイント
「自己紹介をお願いします」
1〜2分で、経歴の要点・得意分野・応募理由を簡潔にまとめるのが理想。職務経歴書の「職務要約」をベースに口頭用にアレンジすると、自然に話を展開できます。
「転職理由を教えてください」
ネガティブな理由(人間関係、給与不満など)はそのまま伝えず、前向きに変換するのがコツです。「〇〇を実現したいと考え、転職を決意しました」のように伝えてください。
退職理由の伝え方については、こちらの記事も参考になります。
「当院を志望した理由は?」
応募先の特徴(導入している機器、力を入れている診療科、教育体制など)を事前に調べておくことが必須です。「貴院は〇〇に力を入れていると伺い、私の〇〇の経験を活かせると考えました」という形で、自分の経験と結びつけて答えてください。
放射線技師ならではの質問
転職面接では、一般的な質問に加えて、放射線技師の業務に関する質問もされます。
「経験のあるモダリティを教えてください」
職務経歴書に書いた内容と一致するように答えてください。ここで食い違いがあると、信頼性が下がります。
経験年数だけでなく、「どの機種を使っていたか」「1日に何件くらい対応していたか」まで具体的に話せると好印象です。
「当直やオンコール対応は可能ですか?」
病院への転職では、ほぼ確実に聞かれる質問です。対応できる場合はその旨を、制約がある場合は正直に伝えたうえで代替案を提示してください。
「〇〇の検査経験はありますか?(未経験モダリティについて)」
応募先で求められるモダリティの経験がない場合でも、関連する経験やスキルを伝えることでカバーできます。
たとえば、MRIの経験がなくても「CT検査で培った画像解剖の知識を活かして早期にキャッチアップしたい」と伝えれば、学ぶ姿勢をアピールできます。



面接では「この人と一緒に働きたいか」も見られています。技術面のアピールだけでなく、チーム医療への姿勢や患者さんへの思いも伝えると、より印象に残りやすいです。
逆質問で好印象を残すコツ
面接の最後に「何か質問はありますか?」と聞かれたときに、「特にありません」と答えるのは避けてください。入社意欲が低いと受け取られる可能性があります。
以下のような質問が好印象を与えやすいです。
- 入職後に担当するモダリティは、どのように決まりますか?
- 放射線科のチーム体制や、日頃の連携について教えていただけますか?
- 資格取得の支援制度はありますか?
逆に、ホームページに書いてある情報を質問すると「調べていない」と思われるので、事前にしっかりリサーチしたうえで質問を準備してください。
まとめ|まず自分の経験を棚卸しするところから


放射線技師の職務経歴書で大切なポイントをおさらいします。
- 職務経歴書は職務要約・職務経歴・資格・自己PR・志望動機の5項目で構成する
- 採用担当者は施設規模・担当モダリティ・件数・資格・役職を重点的に見ている
- 「モダリティ経験」と「数字」を入れるだけで、他の応募者と差がつく
- 転職先のタイプ(病院・クリニック・健診・メーカー)に合わせてアピール内容を変える
- 面接では職務経歴書との一貫性と、前向きな姿勢が重要



最初のステップは、自分の経験の棚卸しです。担当モダリティ・使用機器・資格・症例数を書き出すところから始めてみてください。
転職活動の進め方がまだ固まっていない方は、まず放射線技師に特化した転職サイトに登録して、どんな求人があるか確認してみるのもおすすめです。
キャリアアドバイザーに職務経歴書を添削してもらえるサービスもあります。
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