当直明けの体がきつくなってきた。家族と過ごす時間も思うように取れない。
そんなとき、「もう転職するしかないのかな」と考えていませんか?
- 当直がつらいけど、辞めるしかないのかな?
- 当直を外れたら、給料はどのくらい下がるの?
- 職場に相談したら、立場が悪くならない?
結論から言うと、当直なしで働く道は転職だけではありません。今の職場のまま、当直や時間外の勤務から外れる道もあります。
私は総合病院で17年、診療放射線技師として働きました。そのうち14年は、放射線治療の専任です。
治療専任になったときに当直を外れ、退職前の3年間は家族の介護のために時短勤務を選びました。本文の勤務時間と給料の変化は、私自身の実際の数字です。
くろぶち辞めずに当直を外れた側の本音を、包み隠さず書きます。
- 当直なしで働く2つの道と選び方
- 時短で変わった勤務時間と給料の実際
- 今の職場に相談するときの進め方
読み終えるころには、「転職か、我慢か」の二択から抜け出せます。体と家族の時間を守るための次の一歩が、はっきり見えてきますよ。
当直なしで働く道は2つある


当直をなくす道は、大きく分けて2つです。当直のない職場へ移るか、今の職場の中で当直から外れるかです。
転職して当直のない職場へ移る
当直のない職場として代表的なのは、クリニックや健診センターです。病院の中にも、当直のない職場はあります。
| 職場 | 当直 | 知っておきたいこと |
|---|---|---|
| クリニック | ないことが多い | 少人数のため、 撮影以外の業務も担うことがある |
| 健診センター | ないことが多い | 勤務時間は規則的 時期によって忙しさが変わる |
| 急患の少ない病院 | 職場による | 当直がない病院もあるが、 求人ごとの確認が必要 |
私も総合病院に勤めながら、系列のクリニックや健診車の仕事を経験しました。当直がなく時間外も少ない、総合病院とは別の働き方でした。
注意したいのは収入です。当直手当がなくなるぶん、年収は下がりやすくなります。
職場ごとの働き方の違いは、次の記事で比べています。
今の職場で当直から外れる
もう1つは、職場を変えずに当直のローテーションから外れる道です。部署の異動や、育児・介護の制度を使う方法があります。
この道は、求人サイトを見ても見つかりません。今の職場の中で相談して、はじめて見えてくる選択肢だからです。



私が選んだのは、こちらの道でした。
私が当直から外れた2つのきっかけ


私は勤務先を変えないまま、2回にわたって当直や休日の出勤から外れました。
治療専任になって当直を外れた
治療専任になる前は、当直が月に2〜3回ありました。
急患が立て続けに来る夜は、深夜まで夕飯を食べられません。
夜中は何度も起きて対応しなければならず、大変でした。
私の勤務先では、放射線治療の担当者は基本的に専任で、全員が当直のローテーションから外れる運用でした。治療専任になったことで、私も当直から外れています。
代わりに、当直手当はなくなりました。当直をこなす技師より、月の手取りで見劣りする月もあったのが正直なところです。
ただし、これはあくまで私の勤務先の運用です。どの部署や担当が当直から外れるかは、病院によって違います。
今の職場で当直を外れたいなら、まず当直に入っていない部署や担当があるかを確かめてみてください。



異動が当直を外れる近道になる職場もありますよ。
時短勤務で休日の出勤もなくなった
専任になってからも、休日の出勤がなくなったわけではありません。私の職場では祝日に照射を行う日があり、緊急の照射で呼ばれることもありました。
退職前の3年間は、家族の介護に力を注ぐために時短勤務を選びました。これで、祝日の照射と緊急の照射の担当からも外れています。
時短で変わった勤務時間と給料


時短勤務で何がどれだけ変わったのか、数字で紹介します。
| 項目 | 常勤のころ | 時短勤務のころ |
|---|---|---|
| 勤務時間 | 7時半〜20時ごろ (残業あり・忙しい時期は21時過ぎ) | 7時半〜13時半 (残業なし) |
| 祝日・緊急の照射 | 担当あり | 担当なし |
| 雇用形態・役職 | 正職員・主任 | 正職員・主任のまま |
| 基本給 | 100% | 約75% |
| 手取り | 100% | 約7割 (約3割減) |
基本給は、所定の勤務時間が8時間から6時間になった割合だけ下がり、以前の約75%になりました。
常勤のころは、ここに残業代が上乗せされていました。そのため、手取りで比べると減り方はもっと大きく約3割減です。
それでも、生活は以前より安定しました。介護にかけられる時間と労力が増えたからです。



手取りは減りましたが、生活は落ち着きました。
放射線技師の年収がどれだけ残業代で動くかは、放射線技師のリアルな年収で給与明細をもとに詳しく書いています。
時短で助かったことと気まずかったこと


時短で続けた3年間には、助かったことと気まずかったことの両方がありました。
助かったこと
- 事情を理解してくれたスタッフが、書類の作成や見直しを快く引き継いでくれた
- 正職員のまま主任の役職も据え置きで、役職の手当が続いたので収入面で助かった
いちばん気まずかったのは、後輩の指導です。一緒に働く時間が短くなり、後輩の状況を十分に把握できなくなったのです。
状況をつかめないまま、分かったようなことを言って信頼を失いたくない。そう考えると、先輩として助言しづらい場面がありました。



役職が残るからこその気まずさもあります。
時短を選ぶときは、自分が抜ける時間帯に誰が何を担うのかを、周りと先に話し合っておくと安心です。
今の職場に相談するときの進め方


今の職場で当直や時間外から外れたいときは、次の3つを押さえておくと相談しやすくなります。
就業規則で使える制度を確かめる
育児や介護をしている人には、法律で決まった制度があります。
- 短時間勤務
子どもが3歳になるまで、1日原則6時間 - 深夜業の制限
小学校に入る前の子どもの養育や家族の介護で、夜10時〜朝5時の勤務の免除を請求できる - 介護のための措置
短時間勤務や時差出勤などのうち、職場が1つ以上を用意する
介護のための措置は、対象の家族1人につき、利用を始めてから3年以上の期間で2回以上使えます。ただし、職場が用意する形は短時間勤務とは限りません。
当直に深夜業の制限がどう当てはまるかは、職場での勤務の扱いによって変わります。対象外になる条件もあるため、就業規則と人事の担当部署で確かめてください。



まずは就業規則を開くところからで大丈夫ですよ。
また、制度を申し出たり使ったりしたことを理由に、解雇や減給などの不利益な扱いをすることは法律で禁じられています。
制度の詳しい内容は、厚生労働省の育児・介護休業法のあらましと介護休業制度特設サイトで確認できます。
私の職場では、時短勤務は就業規則にある制度でした。正式に申請して使い、正職員と主任のまま働き続けました。
辞める前に上司へ相談する
私の場合、時短を切り出したのは自分ではありません。退職を申し出たときの話し合いで、上司から提案されました。
振り返ると、自分から上司に相談して制度を使わせてもらう流れも十分ありだと思います。辞めると決めてからでは、選べる道が少なくなるからです。
引き継ぐ業務を一緒に決める
時短では、短い時間でこなせる量まで担当を減らす必要があります。私は書類の作成や見直しを別のスタッフに引き継ぎ、担当する業務を絞りました。



相談しながら、時短勤務でこなせる業務量に調整するのも大切です。
時短で続けて見えた限界


時短は、当直や時間外から外れるための有効な手段でした。ただ、私は時短のまま長く働き続けることはしていません。
時間外の多い職場だったので、常勤のスタッフとの作業量には大きな差がありました。
このままでは、自分だけ知識や経験が伸び悩んでしまう。そう考えると、長く続けていく気持ちになれませんでした。
そこで、介護をしながら取り組みやすい在宅の仕事に切り替えることにしました。



時短のあいだも、常勤との差はずっと気になっていました。
時短は、私にとって生活を立て直す時間になりました。その先のキャリアをどうするかは、時短のあいだに考えておくと焦らずに済みます。
これからの働き方を広く考えたい人は、放射線技師のキャリアプランも参考にしてみてください。退職を決めた後の進め方は、こちらでまとめています。
まとめ|当直なしへの道は転職だけじゃない


当直をなくす道は、当直のない職場へ移るか、今の職場の中で外れるかの2つです。転職を考える前に、今の職場でできることがないかを一度確かめてみてください。
この記事のポイント
- 当直なしで働く道は「転職」と「今の職場で外れる」の2つ
- 今の職場では、部署の異動や育児・介護の制度が外れるきっかけになる
- 時短は生活を立て直せる一方、常勤との差が気になることもある
私は治療専任で当直を外れ、時短勤務で休日の出勤からも外れました。基本給は約75%、手取りは約3割減りましたが、生活は以前より安定しています。
当直を外れれば、夜中に何度も起きて急患に対応する日はなくなります。



迷ったら、まずは今の職場への相談からです。
相談した結果、今の職場で外れるのは難しいと言われることもあります。そのときは、当直なしの求人を比べてみる段階です。求人を見るだけなら、今すぐ転職を決める必要はありません。
まずは当直なしの求人がどれくらいあるのかを、転職サイトで確かめるところから始めてみてください。



